教授挨拶

我々は、臨床現場で起こった現象を基礎研究で解明し臨床現場で生かす「Bedside to Bench, Bench to Bedside」を基本的な考え方として癌に対する新規治療法・診断法の開発を行っています。今、求められているのは「臨床心を持った研究者、研究心を持った臨床家」です。

多様性に富んだ「癌」という疾患の病態を把握しなければ、それに合った治療はできません。癌患者さんの免疫状態が治療効果や予後に密接に関係している事も明らかになりました。「夢の治療」ともてはやされた免疫チェックポイント阻害剤も例外ではありません。多種多様な「癌患者の免疫環境」を明らかにし、各々にマッチした治療を提供しなければなりません。「Precision Medicine(精密医療、個別化医療)」と言われるものです。

「とにかく患者さんの役にたちたい」「癌を治したい」「癌と免疫の秘密を解き明かしたい」との“思い”を持った仲間たちと一緒に、「患者さんの為になる研究」に打ち込んでいきたいと考えています。

研究内容

当教室では、「バイオマーカーを基にして、各々の患者様に最適な組み合わせの治療を提供する。その鍵となるのは“免疫”である」と考え、より有効な個別化複合免疫療法(Precision Combined ImmunoTherapy 〈P-CIT〉)を、開発するために臨床現場と密接に連携して、以下の研究を行い、「患者様本位の治療」の確立に取り組んでいます。

1.免疫バイオマーカーの開発

様々な治療を施された癌患者の検体(血液、癌組織、腸内細菌/口内細菌等)を徹底的に解析し、各々の治療効果を予測可能なバイオマーカーを探索します。我々の過去の研究から「免疫抑制」に関連し「治療効果不良」を引き起こす分子が候補として得られています。

また、臨床検体の解析で得られた知見はあくまでも「現象論」です。如何なるメカニズムで起こった現象かを基礎研究で解明します。この基礎研究が雑多な臨床検体解析データから一つの決定的な標的を絞り込む事を可能にします。

2.免疫抑制解除技術の開発

免疫抑制に関連したバイオマーカーを参考に「免疫抑制を解除する技術」、すなわち「次世代のチェックポイント阻害剤」を開発します。免疫抑制解除技術には、新規阻害抗体や低分子化合物のみならず、既存の薬剤やサプリメント等にも大きな可能性が秘められています。これらの免疫抑制阻害効果や癌治療効果を基礎研究から臨床応用まで行います。

3.より優れた癌ワクチン等の開発

「癌患者の免疫環境を改善して癌ワクチンを効かせる」これが我々のP-CITのコンセプトです。「癌ワクチン」のみならず最近話題のTCR-T/CAR-T療法も含め、より有効な「癌特異的免疫療法」を開発します。その為に、標的となる「良い抗原」が必要です。「共通する変異抗原(Shared Neoantigen)」の存在も明らかになりつつあり、抗原探索から特異的免疫療法の開発を行います。

エビデンスに基づく統合医療学に関する研究

さらに、我々の研究室では、伊藤壽記特任教授(前大阪大学医学部統合医療学寄附講座 教授、日本統合医療学会副理事長)を中心として「エビデンスに基づく統合医療学に関する研究」を行っています。私から見ると「統合医療」は、まぎれもなく「個別化医療」です。「個別化複合免疫療法」と言っても過言ではないと思います。是非、【統合医療】の頁にもお立ち寄りください。「ブラックボックス」の多かった「統合医療」を、「免疫」という「鍵」でこじ開けます。

先端免疫治療学寄附講座 教授
岡本 正人

メンバー

寄附講座教授[Endowed Chair Professor]
岡本正人

特任教授[Specially Appointed Professor]
伊藤壽記

寄附講座助教[Specially Appointed Assistant Professor]
吉田徳之

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